2005年5月16日月曜日

あと十時間しかない…。「苦労して作ったものを上手く話せるか」じゃなくて「そもそも時間に間に合うよう形に出来るのか」がいつも問題になる。同居人は「そんなに心配しなくても大丈夫!」と励ましてくれたけど、まだ構造すらちゃんと決まってないんだよね…。人前で話すこと自体はそんなに苦ではないのでとにかくスキームと台本を作ればわりとべらべらしゃべれる。これでも、日本で発表してたのよりはずいぶんちゃんと準備している気がする。まあ誰も聞いてないからどうだっていい気もしてきた。

先日、「スプートニクの恋人」も読んだ。全く話を覚えてもいないしあらすじさえ理解していたかあやしい。前に読んだときは鬱っぽくなっていたので過剰に自分と重ねすぎてあらすじすら追っていなかったのかもしれない。村上春樹は「ぼくの」話で、私の話じゃないんじゃないかと思った。あと、性的モラル(不倫とかそういうの)という点では山田詠美の小説や内田春菊のマンガに出てくる人の方がよっぽど常識的だ。主人公はいつもある種の女性にはすごくもてて寝る相手には困らないが、好きな人とは満足のいく関係を築くことがない。

今準備してるのは「蜘蛛女のキス」だが、論文を読んでいると研究者の想像力に驚く。「本に書いてあることだし物語だしどうでもいい」というのが率直な感想なので、もうこうなると何で文学専攻に計三年もいてさらに二年も続けるのか分からない。もっと自分は考えることが好きで、思考力があるのではないかと期待してたけど違う。違いすぎ。文章の作りを分解してより分かった気になるのは楽しいけど、それ以上はやる気がない。帰国したら取りあえず何かできそうなものを探してみよう…。適性について悩んでいるような時間もない。

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