2010年7月21日水曜日

ティチーノ旅行:2日目(6月27日)

何時に起きたか記憶がないけど、多分八時か九時。今日も晴れているが、前日ほどは空気が澄んでいないようで、遠くにもやがかかっているように見える。

食堂で朝食をとる。バイキング形式だが、ハムもチーズも一種類しかなく、果物もないし、ドイツのハイデルベルクのユースホステルのような豪華朝食を期待していたのでがっかり。ジュース、コーヒー、お茶類、ココアと飲み放題で、シリアルもあるし朝食バイキングの基本は押さえているのだが。昨日からこのユースホステルには失望し続けているので余計にがっかり来ているのかもしれない。

カウンターに鍵を置いて観光に出かける。まずは、ユースホステルの裏に位置するモンテベッロ城から。石段を上がり、城の横の葡萄畑を横目に見ながら10分弱歩いて入り口に到着。優美さのかけらもない、いかにも要塞という感じの城。レゴで作れそう。Museo archeologico e civicoという考古学関係の博物館があるということでそれらしきところに近づくと、ベルが鳴って係の人が出てきた。どことなくゆるい。4フラン払って入館する。荷物は預かってくれた。

From Ticino
モンテベッロ城

中の展示はいちおう時代別になっているようだが、どこで掘り出されたいつの時代のものなのか全く記載がない。解説パネルもあるのだが、全てイタリア語で分からない。なぜか、エジプトのファラオについて説明したパネル、スイスの全く別の遺跡について説明したパネルもあり、博物館側の意図が分からない。地方の博物館はこんなものなのか、これがティチーノ風味なのか。特に得るものなく見学を終える。その後、係の人の案内で英語のベリンツォーナ説明ビデオを見た。

暑い中うろうろして、城壁の上を歩いた後徒歩で街に下る。ベンチで少し休んでから、カステルグランデに向かう。もうこの時点でまだ午前中なのに相当暑い。

From Ticino
モンテベッロ城からカステルグランデを望む

From Elternsreise (12)
コレジアータの裏にあった家。元は教会だったらしい。

お城には広い芝生が広がっていて、地元の人も観光客もピクニックを楽しんでいる。城の中のレストランで食事をしようかとも思ったけど昨日の余りのパンと若干怪しくなっているチーズがまだあったのでそれで軽食。芝生に座ってしばしのんびりって日本ではあまりしない。一つには芝生がないからだが、もう一つには日本の野原は草があまりにも育ちすぎていて座ると草に囲まれてしまうので余り心地よくなく、さらに蚊がたくさんいるからではないかと思う。

From Ticino
カステルグランデ。前日ここで結婚式が行われたらしい。

From Ticino
カステルグランデの芝生から。

From Ticino
日曜日のベリンツォーナ目抜き通り。誰もいない。

軽く城を周って、這々の体で下山。次は電車でリゾート地ロカルノへ向かう。

ロカルノまでは約30分で到着。リゾート地なのに飲食店以外は全く営業していない。飲食店でも営業していないところがあるようだ。家々は明るい色で塗られ、山の中だけど南国らしい雰囲気に溢れている。

荷物を置いて街を散策することにしたが、それ以外の入れ物がないので急遽ロカルノの絵柄入りショッピングバッグを購入。少し恥ずかしいが観光客なのでまあいいや。

まずはジェラート。店員のおじさんが夏休みバイトっぽい若い女性にジェラートの混ぜ方、コーンへの乗せ方を伝授していた。めちゃくちゃ暑いのでおいしく感じる。

From Ticino
ピアッツァ・グランデ

ロカルノの目的は、ヴィスコンティ城の中にある博物館。ローマ時代のガラス製品が収蔵されているらしい。入り口が分からず中右往左往する。やっと辿り着いた博物館は地味だった。博物館が入っているお城も壮大でも優美でもなく、古い石造りのお屋敷という風情。展示室はそれほど広くはないが、期待以上の展示物がいろいろとあったようで暑い中来た甲斐があった。室内の壁の所々に書きかけの絵があったけど、あれは数百年前に絵を描きかけてやめたのか、それとも中世マニアで絵に自信がある人がこっそりと落書きしたのか判断しかねる。

From Ticino
ヴィスコンティ城

From Ticino
ハトのガラス細工

From Ticino
誰が書いたのか、下書き風の線画。

暑さにやられていたのでピアッツァ・グランデのカフェで私はコーヒー、夫は白ワインとオリーブを頼む。ワールドカップ決勝リーグ、ドイツ対イギリス戦を見る。ドイツ語圏スイス人はドイツ嫌いという定説があるのだけどいざとなるとドイツを応援するのかどうなのか、近くにいたドイツ語圏の家族はドイツを応援していた。観戦中にイギリス幻のゴールも見る。ワールドカップ開催に合わせてどこの店も大画面のテレビを設置して客寄せをしていたが、いくつかの店の方がなぜか中継が早く入るらしくゴールの瞬間を見る前に喜びの歓声、外す前に失望のため息が聞こえ、興ざめ。なぜ違いが出てしまうのか。

電車の時間も迫ってきたので前半終了後にカフェを後にし、駅方面に戻ることにする。時間が少しあったのでロカルノ湖で水上スノーボードのようなことをする人々を観察。その後少し湖周りを歩く。最後に駅の近くのサン・ヴィットーレ教会に行ってみるがミサの真っ最中で中には入れなかった。どうも古い教会らしいのだが、現在は修復された後の姿に見えた。

From Elternsreise (12)
Giuseppe Cattoriなる人物の像の周りにはなぜかなすが植えられていた。

レストランに入って次の電車で帰るかどうか最後まで迷うものの、結局サンドイッチに落ち着く。電車の中で食べるサンドイッチは空腹のためか今までで一番おいしいものに思えたが、満たされてくるとただのチーズとハムのサンドイッチであることが分かってきた。本当に飢えていたらしい。

チューリッヒに戻ると、大都会の別の世界にやってきたように感じる。日本の大都会に比べたら小さい街なのだけど。

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