2010年3月21日日曜日

カタルーニャ語学習奨学金(去年の経験から)

締め切りまで後一月を切ってしまいましたが、日本語で情報を出している人は多分いないのではないかと思うので簡単に去年の様子を書きます。次のエントリーで書類等に関して書こうと思います。

去年、2009年度の奨学金に応募しました。カタルーニャ語は2月頃から大学(ドイツ)のカタルーニャ語コースとカタルーニャ語学習サイトParla.catで学習し始めたばかりで、初歩の初歩という状態でした。ただ、私はスペイン語ができるので全くの初心者というわけではありません。イタリア語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語(もしかしたらルーマニア語も)ができる人はかなり有利だと思われます。だいたい見れば何となくの意味はつかめるでしょう。

書類
書類をそろえるのはそんなに難しくはありません。一番の難関はなぜカタルーニャ語を勉強したいのか?を説明する文章でした。これは、スペイン語で最初に書いてから自動翻訳機にかけて、少し手直ししたものをカタルーニャ語話者の友人に見てもらいました。分量はA4一枚分に納めました。動機として、スペインに初めて旅行した際に、バルセロナで大量のアンチスペイン本(もちろんカタルーニャ語で書いてある)を見かけて驚いたこと、カタルーニャが独自の文化と言語を維持しつつ、さらにスペインという国が成立している状況を実際に住んでこの目で見てみたいと考えていることを書きました。多言語多文化について大学院で学びたいという意志も少しあったので(今はありません)それも書いておきました。

合否の発表
結果は五月の頭頃に郵送及びメールで届きました。奨学金は、語学コースを申し込んだ段階で半分、語学コースを終えた段階で残りの半分が支払われる仕組みです。 語学コースへの申込書と銀行振り込みの証書の写しを何らかの形で(私はメール添付しました)をしなければなりません。

学校
私が行き先として選んだのはL'Escola Oficial d'Idiomes Barcelona Drassanesです。今年もサマーコースが開催される予定で、値段は4週間300,60ユーロと大変お得です。各大学でもサマーコースが開講されていますが、7月というほどよい時期でほどよい期間のものがこれしかありませんでした。時間がある方なら大学を選ぶのもよいと思います。ちなみに、このコースでは出席日数は八割を超えなければなりません。それを下回ると修了証が出ず、修了証がないと残りの奨学金ももらえないようです。

クラスのメンバー
カタルーニャ語サマーコースは四レベルに分かれていました。私は下から二番目のコースに振り分けられました。生徒は半分ほどがバルセロナに住んでいるスペイン人でした。話すのはかなり話せるのですが文法と綴りがメチャクチャであるためあのクラスにいたのかもしれません。その他、バルセロナ在住の外国人(アルゼンチン人、プエルトリコ人、フランス人、ポーランド人、コロンビア人、日本人もいました)、私と同じ奨学金でやってきたイギリス人が二人、ポーランド人が一人、エクアドル人が一人。一番若いのはパキスタン人の男の子で16歳でした。全体で30人ほどおり、語学学校としてはかなり人数が多いのが唯一の難点でした。

授業内容
授業はカタルーニャ語でのみ行われます。Veus 2という教科書を使っていました。授業は朝九時半から一時半までたっぷりあります。間に三十分ほど休憩がありました。スペイン語話者がほとんどを占めるので非スペイン語話者には結構厳しい状況です。
授業期間中、カタルーニャ州政府の議会、グエル公園、バルセロナ市庁舎を見学に行くツアーがありました。カタルーニャ人ではない人にカタルーニャのすばらしさを伝えるプロパガンダ的な側面もあるようです。映画鑑賞会、最終日にカタルーニャワインの試飲会もありました。


学校について
バルセロナの旧市街Ravalにあります。スリ、街娼などが多いあまり治安がよくない地域ですが、昼の誰もいないような時間に旧市街をうろうろとしなければ何の問題もありません。目抜き通りのランブラスまでは歩いて十分かかりません。地下鉄の駅Drassanesからは二分、Paral.lelからは十分弱かと。
この語学学校ではカタルーニャ語だけではなく、外国人向けのスペイン語、その他英語などの外国語(日本語もある)も教えています。公立なので値段が安く、先生のレベルが高いので評判がいいようです。
学校内にはカフェテリア、本屋(小さいですが)もあります。

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家探し
学校は家を斡旋してくれないので自分で探さなければなりません。学校に頼むと下宿、寮の一覧表をくれますが結構高いです。バルセロナっ子に聞いたところ、家探しサイトで探すといいとのことで結局Loquo Barcelonaで見つけました。夏の一月であれば、ルームシェアの家が空いていると思うのでそれほど苦労なく見つかるでしょう。家賃は一月で360ユーロ(光熱費込み)でした。場所は地下鉄Alfons Xの近くで、スーパーも近く便利でした。同居人はコロンビア人2人、ルーマニア人1人。このアパートを管理しているコロンビア人に日本人の親友がいるとかで非常によくしてくれました。

留学後
この留学で何を学んだか?についての書類を提出しなければなりません。それを出して初めて残りの奨学金の支払い手続きが開始されます。てきぱきした奨学生はバルセロナ滞在中にさっさと提出していました。私は郵送したと思います…

まとめ
カタルーニャ語をみっちり学習する機会はなかなかないので、興味がある人はぜひ挑戦してみるといいと思います。カタルーニャ語が置かれている状況は非常に特殊なので、その善し悪しも肌で感じるはずです。私の場合、最初にスペイン文化への興味があって初めてカタルーニャにも興味を抱いた、というのがあるので、カタルーニャ文化の手放しの礼賛、スペインへの敵意には正直辟易することもありました。また、カタルーニャ語を学習する、カタルーニャ語で会話することはすなわちカタルーニャ主義への賛同を意味してしまう場面が多くあります。ただの興味でやってるんだけど…とはなかなか言い出せませんでした。
バルセロナはスペインの他の地域からの移住者、南米からの移民が多いところなのでカタルーニャ語話者がそれほど多いわけではないようです。店でカタルーニャ語を話すと通じないことも多い。カタルーニャ人はカタルーニャ語への愛情はすさまじいものがありますが、外人がいきなりカタルーニャ語を話すとは信じられないらしくスペイン語で返ってくることもあります。もしカタルーニャ語漬けになりたければ、ジローナなどの地方都市に行った方がいいかもしれません。ジローナ近郊出身の友人によれば、大学進学でバルセロナに出てくるまではほぼカタルーニャ語でのみ生活していたそうです。

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